「潰れる家門を生かしてみます」は放送作家だった奈緒が事故に合い、小説の世界へ飛ばされてしまう「異世界ファンタジー系マンガ」です。
小説の話のままだと一族は潰れて自分も死んでしまう!
なんとか運命を変えようと奮闘するヒロインの物語です。
ネタバレの話になるので知りたくない人はこの先は読まないでください。
潰れる家門を生かしてみます 前回のあらすじ
カイル皇子はガロンドール草原地帯にある男を探しに来ていました。
酒場で男が海辺の村の話をするのを盗み聞きします。
その男は、ソードライナー位の階級の男に雇われ、ある家族を襲ったようでした。
テラはメドック卿の次に、ジェイソンをとっちめるつもりでいます。
テラがバーナードとロイド伯爵の部屋へ入ると、ジェイソンが頬を殴られた後のようでした。
ジェイソンが、テラのせいでこんな目に遭っていると文句を言いますが、テラは知らん顔をします。
まだ延々とテラに恨み言を言うジェイソンを無視し、ロイド伯爵はテラがバーナードと約束の時間より早く来たことの理由を問います。
テラがバーナードの契約延長の件だと言うと、ロイド伯爵は些細な用事だと怒りますが、テラの話には続きがありました。
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潰れる家門を生かしてみます 33話 ネタバレ
カイル皇子は酒場で男の話を聞いています。
ある家族を襲った男は、14歳くらいの子供だけ殺さずに残してきたようで、その子供の殺伐とした目が忘れられないと話しています。
男を雇ったソードライナーは今でも傭兵を募集しているのかとカイル皇子の部下が問いますが、訳アリの仕事には同じものを使わないから、一度しか雇われていないと言って知らないと答えます。
もっと楽しい話に話題を変えようとした男に、後ろから名前から思い出せと声が飛びます。
知らないと怒って男が振り返ると、そこにカイル皇子が立っていました。
男はいきなり腕をひねり上げられ、12年前の家族を襲った主導者を思い出せと言うカイル皇子を見て、目つきが当時の子供と同じことに気づきます。
カイル皇子は男をガロンドール駐屯地に連れて行き、拷問しても全てを吐かせるよう部下に命じました。
テラがエリオス家の騎士たちのブーツの状態が良くなかった事に気づいて騎士に話を聞くと、最後に取り換えたのは3年前でした。
それに気づいた後にバーナードが再契約されなかったのですが、初めはその理由はジェンキンソン副団長に対する暴行のためだとテラは考えていましたが、違いました。
ジェイソンはバーナードが上官侮辱罪を犯したから再契約するなと命じたのだと割って入ります。
しかしバーナードは、ずっと前からある事を知っていたのに口にしなかったのだとテラは話します。
ロイド伯爵が、何を知っていたのかと問うと、テラの説明が始まります。
今回エリオス家の騎士で再契約できなかった騎士は、バーナード以外に首都だけで33人もいました。
それからテラは全国的に再契約した騎士の現況やエリオス家の私兵リスト、私兵たちに支給されたブーツなどの軍備品目、そして私兵たちに支給された給料と、バーナードの給料の手書きの資料を次々と机上に出していきます。
どうやら金額に差異が生じているようでした。
まだあるのかと問うロイド伯爵に、テラは3年前から今までの武器庫状況と、ジェンキンソン副団長を始めヘロルド副団長、ゲリック副団長の財産リストを見せます。
ジェイソンがテラに今何を説明しているのだと問うと、テラは借名口座、つまり架空口座の説明だと言い放ちます。
借名口座の名前が同一だが、この名前をお父様は知っているかとテラに聞かれて見てみると、そこにはアーロン・フェリペと書かれていました。
アーロン・フェリペはヴィクトリア夫人の弟の息子、つまり甥であり、15年前に既に亡くなっている子供の名前でした。
真っ青な顔でジェイソンが「お父様」と呼んで釈明しようとしますが、ロイド伯爵はジェイソンの行動に怒っており、「当主様と呼べ」と距離をとります。
ジェイソンは、騎士たちの給料のピンハネはその他の家門でも慣行のように行われているのだと言い訳をしますが、ロイド伯爵は焦るなとジェイソンを諭します。
ロイド伯爵はジェイソンに言い訳するに充分な時間を与えるので、ロイド伯爵が納得できる言い訳を慎重に考えて、整理して話せと伝えました。
ロイド伯爵はディクソンにディランと予算担当官を呼んでくるように命じます。
そして副団長たちと弁護士、騎士団長も連れてくるように付け加えます。
20分後には大体の調べがついており、さらに調べが必要だけれども、テラの情報がかなり具体的で事が早く進みそうでした。
借名口座名が「フェリペ」だったため、フェリペ家も資金に手をつけていたようで、銀行にも協力を仰がなければならない事態になっていました。
各地の武器庫の在庫と所属騎士の人数に差がないか比較するためには直接調査をしなければいけないので、ロイド伯爵は派遣要請をされます。
それに対し、ロイド伯爵は各部隊30人という大人数を派遣するようにと命じます。
それを聞いたテラは、その人数が商談で大きな取引をするときと同じ人数だと分かり、ロイド伯爵が問題の重要性を認識している事を理解しました。
10日後にジェイソンや副団長、それ以外に関わったもの達に対する処置を決めるとロイド伯爵が言います。
それまでは断罪を受ける者は各自の部屋から出さないようにと命じました。
そしてこの問題はエリオス家の大きな恥となるので、対外秘にすると、情報を漏らさぬように念を押しました。
こんな大きな問題を明らかにしてもらって、大丈夫なのかとテラを心配するバーナードに対してテラは飄々としています。
家門の為でもあり、自分の復讐にもなり、バーナードを騎士に復帰させることが出来るのだから何の問題もないとテラは主張します。
すぐに正せる過ちを見てみないフリをするわけにはいかないと説明します。
バーナードは、テラがまるで何か使命を背負っているかのようだと言います。
テラはその言葉に軽く返し、主君誓約をどうするつもりか聞きます。
行政官試験も合格したし、テラは悪くない主君だとは思わないかとバーナードを勧誘します。
すると、バーナードは無表情で明日準備すると言います。
明日主君誓約をするというバーナードの早い回答に、テラは少し驚いてしまいます。
その答えを聞いたテラは喜び、バーナードが後悔しない素晴らしい主君になると宣言します。
バーナードはその宣言に対して、テラの騎士になると決めたのは自分の責任だ、もし後悔する事になっても自分の決定は変わらないし、最後までテラに仕えるつもりだと伝えます。
テラはバーナードを大将軍にしてみせるとはりきります。
テラとバーナードとベスは、徒歩で中央銀行へやってきています。
テラは銀行の用事を終えてからベストドレスを見ると言って、バーナードと別れます。
テラは銀行で手に入れた新聞を立ち読みし、道路を整備する案が、スカンドア国との戦争だと説明してもなお難航している事を知ります。
テラがドレスを買いに店に入ると、先客貴族が聞こえよがしにテラの容姿に対する悪口を言います。
気持ちのこもっていない謝罪をされたテラは、全部事実だと言って気にしません。
そして、外見が最優先だという価値で育ってきた人の非難はただの非難に過ぎないと、その考えに対してゴミのような扱いをします。
それを聞いた夫人は怒りますが、テラは今悪口を言った者は自分にとって小説のワンシーンにしか出ない端役に過ぎない存在だと言い放ちます。
そして、主人公は忙しいのだと言って貴族を相手にせずドレスを選びに行きました。
潰れる家門を生かしてみます 33話 感想
酒場で男が話していた家族は、やっぱりカイル皇子の家族だったのですね。
わざわざカイル皇子以外を殺害したという事は、カイル皇子の身寄りを王以外になくして、王族に引き入れたい者の仕業だったと言うことでしょうか。
どちらにしても、犯人が分かったらカイル皇子が何をしでかすか分かりませんね。
ジェイソンのやらかしが、大きな波紋を起こしましたね。
テラのジェイソンへの仕返しは大成功に終わりました。
バーナードは、テラがタルティンの謝罪を受けたりしたことほど大きな問題にはならないだろうと踏んでいましたが、それ以上に大事になって、全国に調査団を派遣しなければならない事態になりました。
しかし、エリオス家が首都だけでなく全国展開していたとは思いませんでした。
古くからある家門だといっていましたが、それほどまでに大きな家柄だったのですね。
テラが今回ジェイソンをとっちめるためにアンドレ・ピットから得た情報と言うのは、バーナードが解雇される前から騎士たちを解雇することで余裕が出たお金や、現役騎士のお給料をピンハネすることでジェイソンや騎士団長たちが私腹を肥やしていたという証拠だったのですね。
バーナードは前々からそれを知っていて黙っていたが、我慢が出来なくなって団長を殴ったのと言うことだったのですね。
たしかヴィクトリア夫人はジェイソンの母親だったと思うのですが、以前も自分が逮捕されるよりお金の心配をしていたので、母親も今回の件はグルだったのでしょうか。
ロイド伯爵は、この問題に対して箝口令をしいていましたが、おそらくアンドレ・ピットには筒抜けなのでしょうね。
テラが間違いに気づいているのに正さないわけにはいかないと言った時に、バーナードはテラが何か使命を背負っているようだといっていましたが、まさにその通りでしたね。
テラは小説でエリオス家が潰れる事を知っていたのでそれを止めようと奮闘していて、それをバーナードがなんとなく感じ取ったみたいですね。
テラもバーナードを大将軍にしてみせると大きく出ていますが、もともと小説では将軍になる予定の人物なので、そんなに難しい事ではなさそうですね。
次回はバーナードが正式にテラの騎士になるようで、今から続きが楽しみです。